イジワルなカレの愛情表現
混乱する頭で必死に答えを導いていく。


〝尽くす女〟っだから興味を持っただけ? 山田さんとは違うタイプだから面白いとでも思った?


もし、そうだったとしたらヒドイよ。
こんなに好きにさせておいて、ただからかっていただけなんて――。


視界が霞んでいく。


「アハハ! やっぱり永瀬君は優しいなぁ。大好き!」


ポタポタとテーブルに涙がこぼれた瞬間に聞こえてきた、山田さんの決定的な言葉。


もうやだ。これ以上ふたりの話を聞きたくない!


涙を拭い、自分のバッグと陽菜のバッグを乱暴に掴み、伝票を持ってレジへと急いだ。


小銭を出す時間さえもどかしくて、万券でふたり分の会計を済ませると、ちょうど電話を終えた陽菜が店内に入ってきた。


「あれ……? 柚香、もう帰るの?」

「陽菜……」


スマホを手にした陽菜は、キョトンとしている。


「っごめん、今日は私の奢りでいいから。先帰るね」
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