イジワルなカレの愛情表現
♯7【誤解?が解けた瞬間】
「え、担当から外してほしい?」

「はい、申し訳ないのですが……」


次の日の昼休み、山口室長に時間を作ってもらい、今の時間私用されていない会議室で、永瀬さんに答えてもらった質問をまとめたデータが入っているUSBを渡し、記事の担当を下りたいことを告げた。


昨夜ずっとこれからのことを考えていた。

悩みに悩んで出した結論がこれだった。

とにかく永瀬さんと関わらないようにしようと。


気持ちは簡単に消えてくれそうにない。

きっと仕事と自負していても、永瀬さんと会っていたら、気持ちを消すことがますます困難になってしまうはず。


それに永瀬さんだって私にバレたと知ったら、気まずいでしょ?


仕事に私情を挟むなんて、社会人としてどうかと思う。

それでも、これ以上永瀬さんの記事を担当していくのは、無理だと思う。


俯いたまま山口室長の答えを待っていると、「とりあえず、顔を上げようか」と優しい声色が聞こえてきた。
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