イジワルなカレの愛情表現
永瀬さんの反応が怖い。
図星をつかれて無言で立ち去る? それとも笑い飛ばして「お前のことなんて、遊びだった」とか言われちゃう?


なにを言われてもいいように覚悟を決めた時、なぜか永瀬さんは急に声を上げて笑い出した。


「アハハハ! なんだよ柚香。一人前にヤキモチ妬いてんじゃねぇよ」

「え……なっ……!?」


まさか大笑いされるとは想定できず、反応に困ってしまう。

しかもなに? 一人前にヤキモチ妬くなとか。
こっちは永瀬さんの思惑を暴いたというのに!


唖然としてしまっていると、永瀬さんは嬉しそうに口元を緩め、私の身体を抱き寄せた。


「可愛いやつめ。いつの間に俺のことヤキモチ妬くほど好きになってんだよ」

「ちょっ、ちょっと永瀬さん!?」


一瞬にして包まれる永瀬さんのぬくもりに、身体中が熱くなっていく。


なのに永瀬さんは私の存在を確かめるように、何度もきつく抱きしめ続ける。


なんなの? どうして永瀬さんってば急に抱きしめてくるわけ?
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