イジワルなカレの愛情表現
意味が分からず、ふたりの様子を見守ることしかできない。


するとますますふたりはヒートアップしていく。


「お前の愚痴に付き合わされるわ、柚香に誤解されるわ……。本当にお前と一緒にいると、最悪なことばっか」

「なによそれ」


えっと……だめだ。
どんなに考えても、今の展開についていけない。


それは山口室長も同じみたいで、ふたりを見てポカンとしちゃっている。


「いいからお前はさっさと山口に告白しろ! でないとこっちも大迷惑なんだよっ」

「ちょっと永瀬君っ!?」


途端に山田さんの顔は真っ赤に染まり、慌て出した。


――え、告白? ……山田さんが山口室長に!?


目を白黒させてしまう。
けれど目の前の山田さんを見る限り、本当な気がしてならない。


「山口、お前もいい加減気づいてやれよ。山田がお前を好きだって一目瞭然だろうが」


痺れを切らしたように訴える永瀬さんに、山口室長もまた目を白黒させている。


「え……嘘、だろ? 山田が俺を……?」


信じられないようで、口元を押さえる山口室長に、永瀬さんは深く息を吐いた。
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