イジワルなカレの愛情表現
ずっと不思議で仕方なかった。


「私達、話すようになって日が浅いじゃないですか。それなのにどうしてなのかなって。……自分で言うのもあれなんですけど、そこまで魅力的な人間ではないので」


ポツリと自虐すると、すかさず永瀬さんは噴き出した。


「自分で言うなよ。それに柚香には誰にも負けない魅力があるだろ?」


そう話す彼の表情はイジワルそうで、これから何を言おうとしていうのか、安易に予想できてしまう。


「尽くしまくってくれるっていう魅力が」

「……っ」


やっぱり!! そう言うと思った!


こういう時でもイジワルなところはブレないんだから。


頬を膨らませてしまうと、さすがに悪いと思ったのか、永瀬さんは「ごめんごめん」と謝ってきた。


「でも嘘じゃないよ。……柚香さ、覚えていない?半年くらい前に、道端で困っている女の人助けなかった?」

「半年前……ですか?」


聞かれても半年も前のこととなると、すぐに思い出せない。

女の人を助けたかって聞かれても、正直記憶にない。


それでも必死に思い出していると、永瀬さんはクスクスと笑い出した。
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