イジワルなカレの愛情表現
器用に片手でブラウスのボタンを外しながら、「俺を好きだって」と言ってきた。


本当に、この人はどこまでイジワルな人だろうか。

さっきは言わせてくれなかったのに、この状況になって求めてくるなんて。



次第に露わになっていく身体。


この先与えられる刺激に平静を保てる自信がない。

羞恥心を拭い捨て、そっと囁いた。


「永瀬さんが大好きです」


小さな声ながらも、永瀬さんの耳にはしっかり届いてくれたようで、私の顔を覗き込む目は満足そうに細められている。


「俺も好きだよ」


甘い言葉を合図に、深い口づけが繰り返され次第に思考が麻痺していく。


イジワルなカレに与えられるぬくもりに、溺れていく――。


その日の夜、初めてカレと甘い一夜を過ごした。
それはとびっきり甘くて、蕩けてしまうほどの――……。
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