イジワルなカレの愛情表現
食後ふたりで使用した食器を洗い、珈琲を淹れてソファーでのんびりテレビを見る。
何気ないこの時間が、堪らなく幸せを感じる瞬間でもある。


まったりとした時間を過ごせるのは、特別な関係だからこそだと思うから。


最近では突然のスキンシップにも慣れてきて、むしろ自分から抱き着きたくなる衝動に駆られてしまう時もあるほど。

現に今がそうだ。


隣に並んでバラエティ番組を見ているけど、触れるか触れないか、近くて遠いこの距離がもどかしい。


永瀬さんはここ最近忙しい。
ふたりっきりで過ごすのだって一週間ぶりだし。


一緒に過ごせる時間が限られているからこそ、もっと触れたいって思ってしまう。


もちろん思っているだけで、到底自分から抱き着くことも、「抱きしめて下さい」と言うこともできない。


まったく頭に入ってこないテレビを見続けること数分。


突然永瀬さんは我慢できなくなったように噴き出した。
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