イジワルなカレの愛情表現
でも、好きなんだ。


イジワルだけど、甘いときはとことん甘くて、私に手料理を振る舞って尽くしてくれたり、とびっきり優しいカレが――。


下から見上げられていると、気持ち全部顔に出てしまっているだろうから、隠しようがない。


いまだにイジワルそうに笑っている彼に、勇気を出し、自分からそっとキスを落とした。


触れるだけのキス――。


初めて自分からした行為に恥ずかしくて仕方なくて、そのまま永瀬さんの首元に顔を埋め、素直な気持ちを伝えた。


「じゃあ全部して下さい」


触れて欲しいし、キスもしてほしい。――その先もして欲しい。


顔を埋めたまま永瀬さんのシャツをギュッと握りしめると、大きな手がそっと頭を撫でてくれた。


「そんなの、いくらでもしてやる」


耳元に唇を寄せ囁くと、甘噛みされる耳。


体勢を変え、カレは私の望みをひとつひとつ叶えるように、沢山身体に触れ、唇が腫れてしまうんじゃないかというほどキスを落とし、壊れてしまうんじゃないかというほど何度も抱いてくれた。


イジワルなカレの愛情表現に、私はきっとこの先も虜になっていく――。
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