イジワルなカレの愛情表現
「……なんなのよ、いったい」
彼の背中を見送ったまま、手は自然と乱暴に撫でられた頭へ向かってしまう。
毎朝セットしている髪は彼のせいでボッサボサ。
率直に〝失礼な人〟だと思った。……けれどそれと同時にドキッとさせられてしまった。
初対面なのに私のダメなところを知っていて、しかもなに? 期待しているとか。
意味が分からない。
けれどもっと意味が分からないのは、自分自身だ。
〝期待している〟
社交辞令的な言葉かもしれない。本音なんかじゃない可能性の方が遥かに高い。でも誰かに期待されているって身が引き締まるというか、やる気が漲っていくというか……。
期待に応えたい、なんてことを思ってしまった。
複雑な気持ちを抱えたまま、トボトボと広報室へと戻っていった。
「なによ、全然いい人じゃない! イケメンだし」
事の経緯を話し終えると、陽菜はやや興奮した様子で頬を紅潮させている。
誰だってここまで話を聞いたら、陽菜のように言うと思う。
でもこの話にはまだ続きがあるのだ。
彼の背中を見送ったまま、手は自然と乱暴に撫でられた頭へ向かってしまう。
毎朝セットしている髪は彼のせいでボッサボサ。
率直に〝失礼な人〟だと思った。……けれどそれと同時にドキッとさせられてしまった。
初対面なのに私のダメなところを知っていて、しかもなに? 期待しているとか。
意味が分からない。
けれどもっと意味が分からないのは、自分自身だ。
〝期待している〟
社交辞令的な言葉かもしれない。本音なんかじゃない可能性の方が遥かに高い。でも誰かに期待されているって身が引き締まるというか、やる気が漲っていくというか……。
期待に応えたい、なんてことを思ってしまった。
複雑な気持ちを抱えたまま、トボトボと広報室へと戻っていった。
「なによ、全然いい人じゃない! イケメンだし」
事の経緯を話し終えると、陽菜はやや興奮した様子で頬を紅潮させている。
誰だってここまで話を聞いたら、陽菜のように言うと思う。
でもこの話にはまだ続きがあるのだ。