イジワルなカレの愛情表現
「そりゃ私だって一瞬、彼の期待に応えたいなんて思ったわよ。……でも現実世界はそううまく回っていないの。先輩ふたりの風当たりが酷くなっちゃったし、今まで以上に雑用押し付けられるようになっちゃってさ。しかもそれが仕事終わる間際とか」


「うへぇ、それはちょっと……だね」


これには陽菜も表情を歪める。


「結局担当は私ってことになったんだけど、しばらくの間、あのふたりにいびられるかと思うと、気が重くて」


一日目は仕方ない、いつものことって我慢できていたけれど、それが次の日もと続いていくと、次第にストレスは溜まっていき、行き場のない怒りは元凶の永瀬さんへと向かっていった。


そもそも彼が私を指名さえしなければ、無駄なストレスを抱え込むことはなかった。

西垣さんと目黒さんに目の敵にされることもなかった。


わずか数日であっという間に積もってしまったストレスを発散すべく、彼氏と約束したというのに、今日も仕事押し付けられて約束の時間より遅れちゃったし、振られたし。


なんかもう……「あー!!」と大声で叫びたい気分だ。
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