イジワルなカレの愛情表現
すると山口室長は少しだけ歩くスピードを緩め、その理由を語り出した。
「よく永瀬とは同期のよしみで飲みに行くんだけど、その時話したんだ。……前島さんのこと」
「私ですか?」
まさかふたりの間で私の話題が出ていたなんて、びっくりだ。
あからさまに驚いた声を出してしまうと、山口室長は眉を下げ申し訳なさそうに目を細めつつ、話を続けた。
「仕事に一生懸命で、みんなが嫌がる仕事も進んでやってくれる子って話したら、やけに永瀬が興味を持ったみたいで。……永瀬にどう言われたか分からないけど、俺は前島さんの気遣いができるところ、いいと思っているからね」
「山口室長……」
ジンとくる。
「まぁ……、本音を言えば、断る勇気も必要かなって思うけど。俺からも目黒さん達に注意しているけど、嫌なものは断ってもいいんだからね」
「……はい」
不思議。
永瀬さんと山口室長が言ってくれていることは同じなのに、言い方が違うだけで受け止め方も変わってくるのだから。
「よく永瀬とは同期のよしみで飲みに行くんだけど、その時話したんだ。……前島さんのこと」
「私ですか?」
まさかふたりの間で私の話題が出ていたなんて、びっくりだ。
あからさまに驚いた声を出してしまうと、山口室長は眉を下げ申し訳なさそうに目を細めつつ、話を続けた。
「仕事に一生懸命で、みんなが嫌がる仕事も進んでやってくれる子って話したら、やけに永瀬が興味を持ったみたいで。……永瀬にどう言われたか分からないけど、俺は前島さんの気遣いができるところ、いいと思っているからね」
「山口室長……」
ジンとくる。
「まぁ……、本音を言えば、断る勇気も必要かなって思うけど。俺からも目黒さん達に注意しているけど、嫌なものは断ってもいいんだからね」
「……はい」
不思議。
永瀬さんと山口室長が言ってくれていることは同じなのに、言い方が違うだけで受け止め方も変わってくるのだから。