イジワルなカレの愛情表現
聞こえてきた声に山口室長を挟んだ先へ視線を送ると、そこには山口室長の同期であり、同じ広報部、第一広報室に所属している山田 香織(やまだ かおり)さんがいた。
「びっくりした。急に声掛けてくるなよな」
「山口君って不意打ちに弱いよねー」
立ち止まったまま、砕けた様子で話すふたりを見ていると、やっと私の存在に気づいたのか、山田さんの視線が私の姿を捉えた。
「おっと、ごめんなさい。……おはよう、前島さん」
「あっ、おはようございます」
慌てて挨拶をすると、山田さんはふわりと笑った。
年上の女性のフェロモンというやつだろうか。
ただ笑っただけなのに、妙に色気を感じてしまうのは私だけ?
少しだけ高鳴る鼓動を押さえるように胸に手を当てていると、なぜか私を観察するように目を細める山田さん。
無言のまま見つめられるもの程、居心地が悪いものはない。
たった数秒で耐え切れなくなり「あの、なにか?」と声を上げてしまった。
「ごめんなさい、ちょっと気になって。……あの永瀬君が指名した子って聞いていたから。やっぱり仕事がデキる子なのかな」
謝れるも山田さんはケロッとしていて、表情を緩めた。
「びっくりした。急に声掛けてくるなよな」
「山口君って不意打ちに弱いよねー」
立ち止まったまま、砕けた様子で話すふたりを見ていると、やっと私の存在に気づいたのか、山田さんの視線が私の姿を捉えた。
「おっと、ごめんなさい。……おはよう、前島さん」
「あっ、おはようございます」
慌てて挨拶をすると、山田さんはふわりと笑った。
年上の女性のフェロモンというやつだろうか。
ただ笑っただけなのに、妙に色気を感じてしまうのは私だけ?
少しだけ高鳴る鼓動を押さえるように胸に手を当てていると、なぜか私を観察するように目を細める山田さん。
無言のまま見つめられるもの程、居心地が悪いものはない。
たった数秒で耐え切れなくなり「あの、なにか?」と声を上げてしまった。
「ごめんなさい、ちょっと気になって。……あの永瀬君が指名した子って聞いていたから。やっぱり仕事がデキる子なのかな」
謝れるも山田さんはケロッとしていて、表情を緩めた。