イジワルなカレの愛情表現
えっと……これはどう返すべきなのかな? そもそもどんな意味合いで言ってきているのだろうか。もしかして山田さんも、永瀬さんを狙っている女性社員のひとり……なのだろうか。


そんなことを考えていると、間に立っていた山口室長が私を庇うように隠してくれた。


「そこまで。悪いけどうちの子、あまりいじめないでやって。大事な部下だから」


サラリと言った一言に、唖然としてしまう。
それは山田さんも同じだったようで、目をパチクリさせていた。


「お先に。前島さん、行こう遅刻する」

「あっ、はい!」


先に歩き出してしまった山口室長の後を追い掛けるも、ふと気になりチラッと振り返れば、鋭い視線が向けられていて慌てて前を見据えた。


……どうやら予感的中のようだ。
完璧敵対心持たれているよね、私。


広報部には私が所属する社内広報室の他に、山田さんが所属している第一広報室、第二広報室がある。

第一広報室は海外を担当、第二広報室は国内を担当といったところだ。
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