イジワルなカレの愛情表現
けれどそうなると、どうしても気になることがひとつ。


「おはようございます、皆さん」

「おはようございます」


山口室長と社内広報室へ向かうと、私達以外すでに出勤していて、目黒さんと西垣さんの視線が突き刺さった。


「おはようございます」


視線を下に向けたまま、ふたりの横を通り過ぎ早々と自分のデスクに向かおうとした瞬間、すれ違いざまに聞こえた声に耳を疑ってしまった。


「下っ端のくせに生意気」

「無能新人」


一瞬足が止まってしまうも、ふたりは何事もなかったかのように、仕事の準備をし始めた。


ギリッと胸が痛む。
喉元まで出かかった言葉をグッと飲み込み、足早に自分の席についた。


悔しい……! どうして私が永瀬さんの記事を担当するってだけで、ここまで言われなくちゃいけないの?

私、なにも悪いことなんてなにひとつしていないよね? ふたりに迷惑なんてかけていないのに。
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