イジワルなカレの愛情表現
「なにも言わずに、さも当たり前かのように俺の分もよそってくれただろ?」
「え、でもそれは……」
当たり前のことじゃないの? こういった席では女性が男性の分もよそるのが。
「そりゃ女子力高いですアピールするように、〝よそりますね〟ってわざと言いながらやってくれる奴はいるけどさ、お前はなにも言わずにやってくれたじゃん? それに今の時代、女がやらなくちゃいけないって考え方、俺は古いと思う」
「はぁ……」
そう言われても腑に落ちない。
第一私にとって永瀬さんは年上で同じ会社の先輩でもあるわけだし。
この場合は私がよそるものじゃないの?
「俺は嫌いじゃないよ」
「――え」
不意に投げ掛けられた言葉。
すると永瀬さんは少しだけ身を乗り出し、私にしか聞こえないように囁いた。
「お前のそういうところ」
蕩けてしまいそうな甘い声に、身体は椅子ごと後ろに後退りしてしまった。
「じょっ、冗談はやめてください!」
「え、でもそれは……」
当たり前のことじゃないの? こういった席では女性が男性の分もよそるのが。
「そりゃ女子力高いですアピールするように、〝よそりますね〟ってわざと言いながらやってくれる奴はいるけどさ、お前はなにも言わずにやってくれたじゃん? それに今の時代、女がやらなくちゃいけないって考え方、俺は古いと思う」
「はぁ……」
そう言われても腑に落ちない。
第一私にとって永瀬さんは年上で同じ会社の先輩でもあるわけだし。
この場合は私がよそるものじゃないの?
「俺は嫌いじゃないよ」
「――え」
不意に投げ掛けられた言葉。
すると永瀬さんは少しだけ身を乗り出し、私にしか聞こえないように囁いた。
「お前のそういうところ」
蕩けてしまいそうな甘い声に、身体は椅子ごと後ろに後退りしてしまった。
「じょっ、冗談はやめてください!」