イジワルなカレの愛情表現
「今日はここまで」

「ここまでって……えっ？」


永瀬さんの言っている意味が分からない。

だってまだひとつしか質問していないんだけど。


どうやら冗談ではないようで、閉じた手張を私に差し出し、とんでもないことを言い出した。


「質問は一日ひとつまでな」

「えぇっ!?　ひとつまでってどういう意味ですか!?」


これには声を荒げてしまう。


「そもそもこれから忙しくなって、時間がとれそうにないからって言ってきたのは、永瀬さんですよね!?」


興奮を押さえられず捲し立てていくも、永瀬さんは至って冷静。


「だからこうして今後も、仕事終わりに付き合えよ。その時に答えてやるから」


唖然としてしまう。


冗談だよね？　今後も今日みたいに付き合えとか、質問は一日ひとつまでとか。

何も言えずジッと永瀬さんを凝視してしまっていると、彼は「フッ」と笑みを漏らし、長い腕を伸ばしてきた。
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