イジワルなカレの愛情表現
「おいこら、ちゃんと聞いているのか?」

「キャッ!?」


伸びてきた手は迷わず私の頭に触れ、乱暴に髪を撫でた。


「言っておくけど今言ったこと、決定事項だからな」


最後にもう一度クシャッと私の髪を撫でると、やっと大きな手が離れていった。


乱れた髪を直しながら顔を上げれば、やっぱり甘い顔をして私を見る永瀬さんと目が合う。



本当に反則です。
永瀬さんはどういうつもりで言っているのか分からないけど、こんなことされちゃったら、勘違いしてしまう。


それとも勘違いしてもいいんですか?


高鳴る胸を必死に抑えながら、再度「分かったか?」と聞かれ、頷くことで精一杯だった。
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