イジワルなカレの愛情表現
意味が分からず食い入るようにふたりを見つめてしまっていると、ニヤニヤと笑い出した。


「もー、なに惚けちゃって」

「羨ましいけど、僻んだりしないから。前島さんの彼氏が永瀬さんだってこと」


ちょっと待って。ふたりともなにを言っているの？

彼氏？　永瀬さんが私の!?


「え、ちょっと待って下さい！　どうして永瀬さんが私の彼氏になっているんですか？」


仕事中と分かっていても、声を荒げずにはいられない。

幸いなことに山口室長は席を外しており、私達三人と既に退社準備に入っている木村さんしかいない。


珍しく声を荒げる私に驚くふたり。


「どうしてって……昨日、永瀬さんが残したメモに書いてあったし、なにより社内中で噂になっているじゃない。ねぇ？」


「私も昼休み、他の課の子から聞いたわよ」


嘘でしょ、社内中で私と永瀬さんが付き合っているって噂になっているとか。

いや、それよりもメモってもしかして……。

キョトンとしちゃっているふたりに、恐る恐る問いかけた。
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