イジワルなカレの愛情表現
「それも昨日言ったよな?」

「言ったって……」


すぐに頭に浮かんだのは、永瀬さんが言っていた〝尽くす女は嫌いじゃない〟って言葉。


ううん、そんなわけない。だって永瀬さんだよ?


顔を上げれば、誰もが見惚れてしまいそうなほど顔の整った彼が、私を見下ろしている。


カッコよくて仕事もできる。
そんな彼が私を好き――? あるわけないじゃない。

またからかわれているだけでしょ?

それでも心は揺れるばかり。


「俺はお前に、嘘なんて言っていない。言った言葉は全て本音だよ」


さらに私の心を乱すことを言ってきた。


無理、簡単に信じられるはずない。

なのに、真剣な瞳で私を見つめる彼から視線が逸らせない。


「嫌いだったら呑みに誘ったりしない。……心配だってしないさ」


大きく心臓が飛び跳ねる。


これは夢じゃないのだろうか。
あの永瀬さんが私に言うような言葉じゃない。
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