イジワルなカレの愛情表現
冗談で言っていないとしたら、本気なんだよね?

当たり前なことなのに、ストンと胸に落ちてこない。


その原因は分かっている。


永瀬さんは、甘い言葉を並べるだけで、私のどこを気に入ってくれたのか、話してくれないからだ。


だったら聞けばいいだけのなのに。


その後も永瀬さんは、食事に誘ってくれて聞く機会ならいくらでもあったはずなのに、どうしても聞けなかった。


それはきっと、会って話をしていくたびに、私が永瀬さんに惹かれていたからだ。




「仕事をしていて、遣り甲斐を感じるとき?」

「はい」


インタビューを取っている時のことだった。

質問のひとつに、〝仕事をする上で、遣り甲斐を感じる時はどんなときですか?〟と問いかけると、永瀬さんは少しだけ考えると、ゆっくりと話してくれた。
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