イジワルなカレの愛情表現
「いいよ、別に。安い店だし」
「そういう問題ではありません!」
永瀬さんと食事を共にするようになって数回目。
いつも永瀬さんに奢ってもらってしまっていたから、今日こそはせめて自分の分こそ出そうと思っていたのに、きっぱり断られてしまい、永瀬さんが支払いを済ませてしまったのだ。
レジ前で「お金を出します」と言うのもなと思い、こうやって店先で訴えるものの、頑なに永瀬さんはお金を受け取ろうとしない。
しまいには手にしていたお財布とバッグを奪われてしまった。
「っとに、しつこい! 素直に奢られておけ」
そう言うと永瀬さんはお財布をバッグにしまい、突っ返してきた。
「でも、どうでもいい女に何度も奢るほど俺の懐事情はよくないってこと、ちゃんと頭に入れとけよな」
「――え」
意味深な言葉に、胸が騒つく。
大きな波のように揺れる心をさらに揺らすかのように、永瀬さんは私の手を取り歩き出した。
え……えっ、えぇっ!?
いきなり手を繋がれ、頭の中はパニック状態に陥ってしまう。
「そういう問題ではありません!」
永瀬さんと食事を共にするようになって数回目。
いつも永瀬さんに奢ってもらってしまっていたから、今日こそはせめて自分の分こそ出そうと思っていたのに、きっぱり断られてしまい、永瀬さんが支払いを済ませてしまったのだ。
レジ前で「お金を出します」と言うのもなと思い、こうやって店先で訴えるものの、頑なに永瀬さんはお金を受け取ろうとしない。
しまいには手にしていたお財布とバッグを奪われてしまった。
「っとに、しつこい! 素直に奢られておけ」
そう言うと永瀬さんはお財布をバッグにしまい、突っ返してきた。
「でも、どうでもいい女に何度も奢るほど俺の懐事情はよくないってこと、ちゃんと頭に入れとけよな」
「――え」
意味深な言葉に、胸が騒つく。
大きな波のように揺れる心をさらに揺らすかのように、永瀬さんは私の手を取り歩き出した。
え……えっ、えぇっ!?
いきなり手を繋がれ、頭の中はパニック状態に陥ってしまう。