イジワルなカレの愛情表現
不安に思っていることを正直に打ち明けたものの、陽菜は表情を歪めた。


「絶句。それだけ愛情表現されておいて、なにを信じられないって言うのよ」


「えっ! だってそうでしょ? 私のどこがいいかとか、具体的なこと言ってくれないし。……なによりちゃんとした気持ち、永瀬さんから聞いていないし」


惹かれているからこそ、怖くて聞けないでいる。

からかわれているだけかもしれないって気持ちは、完全に拭えていないから。


これには陽菜も黙り込んでしまった。


「うーん……それはもう本人に聞くしかないんじゃない?」

「それはもちろんそうだけど、やっぱり怖くて」


次々と不安な気持ちを言葉にしていく。

すると陽菜は身体を前に乗り出し、真剣な面持ちで私を見つめてきた。


「あとはやっぱり柚香から、自分の気持ちを伝えないことには、なにも始まらないんじゃないかな? どーせ柚香のことだもの。好きって彼に伝えていないんでしょ?」


さすがは陽菜、鋭い。


「お察しの通りです」


「だと思った」


予想通りの答えだったようで、陽菜は苦笑いしちゃっている。
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