イジワルなカレの愛情表現
「だったら話は早い。さっさと彼に自分の気持ちを伝えるべきよ。でないといつまでも、そうやってモヤモヤした気持ちのまま、彼に会い続けることになるわよ。柚香はそれでもいいの？　中途半端な関係のまま食事しに行ったり、会社で付き合っていることになっているんでしょ？」


「うん。……逃げていないで、ちゃんと伝えないとだよね」


分かっている。けれど自信がないんだ。

彼に好かれている自信がない。どこに惹かれてくれているのか謎だもの。


「そうよ、伝えないと。いいじゃない、柚香なら振られることにも慣れているでしょ？」


「失礼な！　……慣れていないし、それに永瀬さんにいつものパターンで振られちゃったら、しばらくの間、立ち直れそうにないよ」


永瀬さんは違う。好きって気持ちが誰よりも大きいもの。


「大丈夫！　その時は私はいつものようにとことん付き合ってあげるから。……だから怖がらず逃げないでぶつかりなさい。じゃないと勿体ないじゃない。せっかく本気で好きって思える人と巡り会えたんだから」


「陽菜……」
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