イジワルなカレの愛情表現
ここのお店は料理やお酒はもちろん、接客も文句ナシにいいから、つい何度も来ちゃうんだよね。
その分、店内は狭くて板を挟んでいるとはいえ、隣の席の会話が丸聞こえっていうのが難点だけど。
今まで隣の席は空席だったから、気にせずベラベラと話しちゃっていたけど、今からは気をつけないと。
ここはうちの会社の人もよく利用しているところだから。
口を紡ぎ飲み物を吟味し、次に店員さんが通りかかったら注文しようと周囲を見回していた時。
「とりあえず生ふたつでいいか?」
「もちろん」
板一枚挟んで聞こえてきたふたりの声に、耳を疑ってしまう。
「あっ、あとだし巻き卵と枝豆も忘れずに」
「分かってるよ、山田がいつも頼むものくらい」
「さすがは永瀬! 立派な山田香織マスターだ」
「そんな称号、いらねぇけどな」
親しい間柄が伺える会話の後には、ふたりの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
その分、店内は狭くて板を挟んでいるとはいえ、隣の席の会話が丸聞こえっていうのが難点だけど。
今まで隣の席は空席だったから、気にせずベラベラと話しちゃっていたけど、今からは気をつけないと。
ここはうちの会社の人もよく利用しているところだから。
口を紡ぎ飲み物を吟味し、次に店員さんが通りかかったら注文しようと周囲を見回していた時。
「とりあえず生ふたつでいいか?」
「もちろん」
板一枚挟んで聞こえてきたふたりの声に、耳を疑ってしまう。
「あっ、あとだし巻き卵と枝豆も忘れずに」
「分かってるよ、山田がいつも頼むものくらい」
「さすがは永瀬! 立派な山田香織マスターだ」
「そんな称号、いらねぇけどな」
親しい間柄が伺える会話の後には、ふたりの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。