〜蝶と蜘蛛〜

プロローグ 『悲しき灰被り少女』

〜西暦××年〜

この国を裏で貴族たちが支配する時代、数十もの没落した貴族の家系があった。

その数十の中の一つ、貴族の中でも昔は権力があった家系があった。

権力を持っている貴族たちは毎晩のように舞踏会やパーティーを開き、他の貴族たちを招いて自分たちの子供や持ち物等を自慢していた。

その国の王子もまた、様々な舞踏会に自ら出向き、花嫁候補となる少女を探していた。

そんな上級貴族たちの暮らしから蹴落とされ、惨めな思いをしている没落貴族の子供たちは散々な扱いを受けていた。