ヤンキーなんて大嫌い!
―――11年前―・・・。
『理子ー!』
私の名前を読んだのは本当のお母さん。
そして、当時の私は5歳だった。
『おかあさん!どうしたの?』
『お父さんのグループに新しく3つもの傘下が下ったそうよ!お父さんはすごいわよ!』
『おとうさん、すごいんだね!りこもおとうさんみたいになりたい!』
実は私、極悪非道の有名な黒崎会の娘。
組長は祖父。会長がお父さん。というふうに、代々伝わる極道家だったの。
それでも私は幸せだった。
お母さんがいて、兄が3人もいて、なに不自由なく暮らしていた。
これからもずっとそのはずだったのに・・・―――。