ヤンキーなんて大嫌い!



―――11年前―・・・。




『理子ー!』


私の名前を読んだのは本当のお母さん。

そして、当時の私は5歳だった。



『おかあさん!どうしたの?』


『お父さんのグループに新しく3つもの傘下が下ったそうよ!お父さんはすごいわよ!』



『おとうさん、すごいんだね!りこもおとうさんみたいになりたい!』



実は私、極悪非道の有名な黒崎会の娘。



組長は祖父。会長がお父さん。というふうに、代々伝わる極道家だったの。



それでも私は幸せだった。



お母さんがいて、兄が3人もいて、なに不自由なく暮らしていた。



これからもずっとそのはずだったのに・・・―――。
< 44 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop