焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
勇希に連れられて入ったのは、この時間なら使われているわけがない海外営業部の会議室だった。
ブラインドが上げられている窓から、明るい初夏の鋭い陽射しが射し込んできて、室内の空気の気温を上げていくのを感じる。
勇希はスーツの上着を脱いで、長テーブルの上に無造作に放り投げた。
わずかにネクタイを緩めながら、一度ふうっと息をする。
私はその一部始終を眺めてながら、一瞬ドキッとしてしまった鼓動を押し殺していた。
勇希は私のそんな様子には気付かずに、私に身体ごと正面向いた。
「……昨夜の、本気か?」
「本気」
何を言われるのかは想定済みだから、私は素っ気なく即答で答えた。
そして勇希も私の返事は想定内だったんだろう。
一度大きく息を吐いた。
「……ちょっと待てよ。確かに昨夜は俺が悪かった。それは謝るし、これから気を付ける。だからさ……。何もカレーくらいで別れるとかないだろ」
その言葉に、私の心がささくれ立つ。
きっと勇希は、私がただの衝動であんなことを言ったとしか思っていないのだろう。
だから、自分が冷静になって下手に出て謝れば、私が許すと思っている。
どうしてわからないんだろう。
私だって別にカレーを潰されたくらいじゃこんなに怒らないのに。
ブラインドが上げられている窓から、明るい初夏の鋭い陽射しが射し込んできて、室内の空気の気温を上げていくのを感じる。
勇希はスーツの上着を脱いで、長テーブルの上に無造作に放り投げた。
わずかにネクタイを緩めながら、一度ふうっと息をする。
私はその一部始終を眺めてながら、一瞬ドキッとしてしまった鼓動を押し殺していた。
勇希は私のそんな様子には気付かずに、私に身体ごと正面向いた。
「……昨夜の、本気か?」
「本気」
何を言われるのかは想定済みだから、私は素っ気なく即答で答えた。
そして勇希も私の返事は想定内だったんだろう。
一度大きく息を吐いた。
「……ちょっと待てよ。確かに昨夜は俺が悪かった。それは謝るし、これから気を付ける。だからさ……。何もカレーくらいで別れるとかないだろ」
その言葉に、私の心がささくれ立つ。
きっと勇希は、私がただの衝動であんなことを言ったとしか思っていないのだろう。
だから、自分が冷静になって下手に出て謝れば、私が許すと思っている。
どうしてわからないんだろう。
私だって別にカレーを潰されたくらいじゃこんなに怒らないのに。