焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
「本当に、俺が悪かった。仕事忙しいことは智美に関係ないんだし、別にカレーだって嫌いなわけじゃない。それで智美を怒らせるくらいなら、もう一週間でも二週間でもカレー食い続けても平気だから」
だから、カレーじゃないのに。
私が見たことがないくらい必死にそう言い募る勇希がやたらと『カレー』を連発するのを笑いたくなりながら、心の奥底で寂しく感じた。
勇希は、なんとも思ってなかったのかな?
付き合い始めの最初の三年間と比べて、同棲してからの三年間で、私たちの間の恋が薄れてしまっていたことを。
私だってもうアラサーの女だ。
恋人同士でも、男と女の感覚には大きな隔たりがあるのは知ってる。
いつまでも恋をし続けたいのが女。
ドキドキなんかなくても安定を求めるのが男。
だから、私たちの間のこの問題も、誰もが直面するありがちな危機なのかもしれない。
「……別れたくない」
わずかに俯いてそう呟く勇希に、ドキッとした。
もう六年の付き合いだ。
こういう静かで低い声を口にする時、九割方本気で言ってるのは私にもよくわかる。
だけど、私が怒った理由をちゃんとわかっていない勇希に言われて戻っても、多分ものの一ヵ月後にはまた同じような喧嘩を繰り返すのは目に見えているのだ。
だから、カレーじゃないのに。
私が見たことがないくらい必死にそう言い募る勇希がやたらと『カレー』を連発するのを笑いたくなりながら、心の奥底で寂しく感じた。
勇希は、なんとも思ってなかったのかな?
付き合い始めの最初の三年間と比べて、同棲してからの三年間で、私たちの間の恋が薄れてしまっていたことを。
私だってもうアラサーの女だ。
恋人同士でも、男と女の感覚には大きな隔たりがあるのは知ってる。
いつまでも恋をし続けたいのが女。
ドキドキなんかなくても安定を求めるのが男。
だから、私たちの間のこの問題も、誰もが直面するありがちな危機なのかもしれない。
「……別れたくない」
わずかに俯いてそう呟く勇希に、ドキッとした。
もう六年の付き合いだ。
こういう静かで低い声を口にする時、九割方本気で言ってるのは私にもよくわかる。
だけど、私が怒った理由をちゃんとわかっていない勇希に言われて戻っても、多分ものの一ヵ月後にはまた同じような喧嘩を繰り返すのは目に見えているのだ。