焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
甘く官能的な刺激と感触が脳髄に伝わる。
『別れよう』と言われながらそんなキスを仕掛けているうちに、こんな風にキスをするのが久しぶりだったことを思い出した。
喧嘩しながらも、毎晩同じベッドで一緒に眠っていたのに。
前にキスしたのがいつだったかも思い出せない。
そんな自分に驚いて戸惑った瞬間、智美が俺の胸を押して、ドンと強く突き放した。
「とも……」
瞳に涙を浮かべて俺を睨みつける智美に、手を伸ばすことが出来ない。
そんな嫌悪の籠った瞳にズキッと胸が痛むのを感じながら、智美が手の甲で唇を拭うのを見て、俺は一瞬カッとしてしまった。
「なんだよ、それ。そんなに嫌かよ、俺とキスするの」
「……最低……なんで今更……」
短い掠れた声と同時に、智美の頬に涙が一筋零れた。
その小さな滴にドキッとしながら、俺は今、衝動に任せた行動で智美を傷付けたことを自覚する。
「……ごめん。悪かった」
俺の謝罪には、智美は黙ったまま背を向ける。
そして、またしてもパンパンに膨れ上がったカバンを手にすると、俺の横を擦り抜けて寝室を出て行く。
俺はその場に立ち尽くしたまま、玄関のドアが閉まる音を聞いているだけだった。
『別れよう』と言われながらそんなキスを仕掛けているうちに、こんな風にキスをするのが久しぶりだったことを思い出した。
喧嘩しながらも、毎晩同じベッドで一緒に眠っていたのに。
前にキスしたのがいつだったかも思い出せない。
そんな自分に驚いて戸惑った瞬間、智美が俺の胸を押して、ドンと強く突き放した。
「とも……」
瞳に涙を浮かべて俺を睨みつける智美に、手を伸ばすことが出来ない。
そんな嫌悪の籠った瞳にズキッと胸が痛むのを感じながら、智美が手の甲で唇を拭うのを見て、俺は一瞬カッとしてしまった。
「なんだよ、それ。そんなに嫌かよ、俺とキスするの」
「……最低……なんで今更……」
短い掠れた声と同時に、智美の頬に涙が一筋零れた。
その小さな滴にドキッとしながら、俺は今、衝動に任せた行動で智美を傷付けたことを自覚する。
「……ごめん。悪かった」
俺の謝罪には、智美は黙ったまま背を向ける。
そして、またしてもパンパンに膨れ上がったカバンを手にすると、俺の横を擦り抜けて寝室を出て行く。
俺はその場に立ち尽くしたまま、玄関のドアが閉まる音を聞いているだけだった。