焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
「正直、それは別に」
「おお~。やっぱり大物は違うね」
「いや。ほんと。……別に昇進を急ぐ必要もないし、どうでもいいんだ」
苦笑しながらそう答えて、俺はふうっと息をつく。
「それに……もしも決まったら、プライベートのことに、上司から介入受けそうだし……」
ついそんな一言を漏らして、俺は慌てて口を噤んだ。
けれど、この静かな空間で、俺の声はちゃんと島田さんに届いてしまったようだ。
「え? プライベート? あ……縁談?」
「あ、いや。ごめん。忘れて」
驚いて目を見開く島田さんの視線を避けるように、俺は小さく笑ってそっぽを向いた。
けれど、無意識に漏れる溜め息を憚ることが出来ない。
「……智美はどうするの?」
どこか咎めるような口調に反応して、俺は口をへの字に結んだ。
「だから。そんなこと上司から言われたら、もちろん断るよ」
「じゃ、智美と結婚するの?」
いつも智美の『駆け込み寺』になってくれた同期だ。
今回は真剣な『別れ話』が浮上しているのは、知っているのだろう。
それなら俺も誤魔化し通せない。
「……俺、智美がそれを望んでるとは思わないんだよな……」
正直に呟くと、島田さんは眉間に皺を寄せて俺を見つめた。
「おお~。やっぱり大物は違うね」
「いや。ほんと。……別に昇進を急ぐ必要もないし、どうでもいいんだ」
苦笑しながらそう答えて、俺はふうっと息をつく。
「それに……もしも決まったら、プライベートのことに、上司から介入受けそうだし……」
ついそんな一言を漏らして、俺は慌てて口を噤んだ。
けれど、この静かな空間で、俺の声はちゃんと島田さんに届いてしまったようだ。
「え? プライベート? あ……縁談?」
「あ、いや。ごめん。忘れて」
驚いて目を見開く島田さんの視線を避けるように、俺は小さく笑ってそっぽを向いた。
けれど、無意識に漏れる溜め息を憚ることが出来ない。
「……智美はどうするの?」
どこか咎めるような口調に反応して、俺は口をへの字に結んだ。
「だから。そんなこと上司から言われたら、もちろん断るよ」
「じゃ、智美と結婚するの?」
いつも智美の『駆け込み寺』になってくれた同期だ。
今回は真剣な『別れ話』が浮上しているのは、知っているのだろう。
それなら俺も誤魔化し通せない。
「……俺、智美がそれを望んでるとは思わないんだよな……」
正直に呟くと、島田さんは眉間に皺を寄せて俺を見つめた。