焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
そんなに変か?と怪訝な気持ちで言い合っているうちに、智美は布団を被って隠れてしまっていた。


このぐらいのことでそこまで怒られる意味がわからない。
智美の方は別れる前提でいると言い聞かせても、つい一週間前まではこんなことも普通だったのに。


「智美っ!」


あ~。マジ、意味不明すぎてイライラする。
俺は大股でベッドに歩み寄ると、智美が被る布団を思いっきり引っぱがした。
途端に、身体を起こした智美が俺から大きく顔を背ける。


「そんな格好でこっち来ないで!」

「ああ、わかったよ。上着りゃいいんだろ。着てやるから、ちょっとこっち来い!」


訳のわからないことを口走ってばかりの智美は、もう無視だ。


「話がしたいだけだよ」

「無理強いしないって言った!!」

「言ったけど、これじゃいつまで経っても平行線だろ。お前、このまま家では蓑虫生活するつもりか!?」


俺はグッと腕を伸ばして、智美の腕を掴み上げた。
それを思いっきり振り払われて、ついカッとしてしまう。
そのままベッドから降りて逃げ出そうとする智美を追って、俺はベッドに膝をついて乗り上げた。


「待てって!」


背を向ける智美の肩を力任せに引っ張った。
一瞬息をのんだ智美が、身体のバランスを崩してベッドに倒れ込む。


逃がすまい、と必死になって、俺は智美が抵抗する前にその両手を掴み取った。
そのまま智美の頭の上で繋ぎ止める。
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