焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
わずかに心に残った勇希への『好き』が、勇希の言動に揺さぶられている。
ほんの些細などうでもいいことでも、勇希の中に私を見つけることが出来ると、きゅんとして嬉しくて……。


忘れかけていたドキドキに高鳴る鼓動がくすぐったくて、妙に甘酸っぱい。
この一晩だけで、私の胸はどれほど強く打ち鳴っただろう。


勇希と過ごした夜を思い出して、ドクンと胸が騒いだ。


何を切なくなってるの。
なんで今更ときめいてるの。


自分に戸惑ってそんな疑問を投げかけながら、身体は熱くなる。
速まる鼓動を抑えられなくて、私は膝を抱え込む腕に力を込めた。


六年も付き合ったのに。
もうほとんど空気みたいな存在で、お互いに向ける恋心なんか枯れ果ててしまっていたのに。
これから先は燻って消えて行くだけだと思っていた感情が、今、再び息吹くのを感じる。


――どうしよう、こんなの。
今更、勇希相手にこんな気持ちになるなんて。
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