先生、恋ってなんですか?

「おまえのそれは主婦力ってもんだろ。まぁ仮に女子力だとしても、それを上回る男前度ってのがあんだろ」

その一言に眉間にシワを寄せて閉口する。
なんとなく悔しくて、先生のお皿の上に転がっている付け合わせの唐揚げを奪って食べる。
カラリと揚がっていて、ジューシー。
我ながら良い味だ。

「お前!俺の好物!わざとだろ!」
「わざとに決まってる。先生が悪いよねー、今のは。女子力云々はまぁ置いといてさ。今の私のどこをとったら男だという?てかたかだか唐揚げの1個くらいでそんな怒んないでよ。そもそも私を女だなんだって言うのは先生じゃんか」

今度は先生が舌打ちをする番だ。

「舌打ち反対ー」

さっきの反撃を繰り出すけれど、次ぐ先生からのごもっともな意見に見事撃沈した。

「だれも男だとは言ってねぇけどよ。……いっくら自宅とは言え、お前もう2時過ぎよ?いつまでスウェットなんだよ」
「いーじゃんか!パジャマじゃないよ?部屋着だよ?」
「お前一人なら良いだろうよ。けどよ、俺が来るのわかっててそれってのはねぇだろ。とても年頃の女子のするカッコとは思えねぇだろよ」

ご飯を頬張りながら反撃されていよいよ机に項垂れた。


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