先生、恋ってなんですか?
ありがとうございます、と、お店を後にしてキョロキョロ先生を探す。
さっきまで手ぶらだったのに、その手にショップの袋がある。
「何か買ったの?」
「あぁ、まぁ」
「ふーん?」
「じゃあ用事もすんだことだし、行くか?」
「うん」
もう間もなく先生はいつもの仕事の時間だ。
帰らないと。
電車に揺られて来た道を帰っていく。
「先生、今日はありがとう」
「あぁ。あ、お前ちょっと付き合えよ」
電車から降りると、先生はそのまますぐ近くのカフェに入っていく。
私もそれに倣う。
あぁ。
そういえば、ご飯があれだけじゃあお腹すくよね。
なるほど、合点がいく。
通された席に着いて、暖かいおしぼりで手を拭いた。
普段動きっぱなしで働いているとはいえ、そういうのとこういうのとはまた別の次元で。
足がけっこうくたくたになるものだ、と一息ついて、すっと店内を見回した。
店内はモノトーンで統一されていてスタイリッシュな感じ。
だけど、ソファ席なんかもあって、冷たさは感じない。
おしゃれ、って言葉がしっくりくる。
そんなおしゃれなカフェには、おしゃれなメニュー。
メニューの写真は、パスタにワンプレートごはんに……どれも美味しそうだし、絶妙におしゃれ。
あら。
ドリンクも、コーラにローズマリーが差してあるだけでずいぶんおしゃれな印象になるものだ。
「すみません」
軽く片手をあげて店員さんを呼ぶと、軽い足取りで店員さんはやって来た。