先生、恋ってなんですか?
「唐揚げサラダとチキン南蛮プレート」
「鳥鳥じゃんか」
「……うるせぇ」
「私、ガパオライスください」
店員さんが去ったあと、背もたれに体重を預けて首をコキコキと鳴らす先生。
「やっぱり、先生ってインドアなの?」
「やっぱりってなんだ、やっぱりって」
「え、単純にさ。塾とかだと部活もないし?」
「まぁ事実だけどな」
「ならいいじゃんか」
「まぁ、いいけどよ。お前ほどじゃないだろうよ」
「えー。職業柄、動きっぱなしで働いているんだけど」
「そりゃ意味が違うだろ。動くイコール、アウトドアって意味じゃないんだから」
「うーん、そうだね」
「確実にお前、休みの日は家にこもってるタイプだろ」
ズバリ言われる。
斜め上を見て、知らん顔したところでバレバレだ。
「たまの休みくらいは……好きなことしたいよねぇ?」
と言ってみて思う。
休みですらない今日、先生は付き合ってくれてるんだ。
ありがたいことだ、本当。
そんな軽いやり取りをしていると料理が運ばれてくる。
スプーンで一口掬って、食べると独特の香り。
あー、美味しいな。
ここはインテリアだけじゃなくて、お料理にも力をいれてるんだってことがよくわかる。