先生、恋ってなんですか?

チャリ、と音を立てて吸い込まれていくそれは、先生からのご飯代。
持ち上げるとほんのりと重量感があるように感じる。

「半分くらい貯まったかな?」

先生と再会して1年。
それは先生が、家にご飯を食べに来るようになってからとほぼ変わらない。
月の半分以上はお昼なり、夜食なりを食べに来る。

「そりゃあ貯まるわけだな」

ジャラ、ともう一つ豚さんを振って定位置に戻した。






そもそも、先生と再会したのは本当に偶然だった。
私の勤め先である居酒屋に、どうやら同僚の先生方に飲み会として連れてこられたらしかった。
卒業して、かれこれ7年目の再会。
特に嬉しくもない、元担任との再会。
むしろできれば穏便に誰とも会わずに過ごしていたかった。
けれど、えてしてそういうのは、本人の希望とは関係なしにやって来る。
そしてスルーしようとしても何故かスルーできない。

世の中の不思議な仕組みだ。



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