甘い後輩くん。
絢斗side

はあ~。今日入学式か~。

重たい気持ちで入学する学校に向かう俺、相田絢斗(あいだ あやと)。

だる。ほんとだる。

小学までここの街にいて、中学は親の都合で引っ越したんだ。
高校はこっちがいいって親に何度も頭さげて、なんとか了承してもらい一人暮らししている。

入学式なんか、いらねーよなー。
意味なくね。

そー思いながら歩いているといつの間にか学校についていて。

「うわ、人の数ぱねー」

昇降口にはたくさんの人。たぶん保護者とか入学生。

あんなか入りたくねーなー。

そう思っていると在校生らしー女がニヤニヤしながら寄ってきて

「きみ、新入生?案内してあげよっか?」

なにこいつ。とか思ったけど、んまぁ場所もしらねーしなーと思い案内してもらった。

そしたら、たどりついたのは理科室。

は。なんで理科室?

「きみ、経験ある?」

上目遣いで見上げて誘ってくる女。

あ、そーゆーこと。からだ目当てね。

中学入ってから荒れた俺は女をとっかえひっかえしていた。

高校ではちゃんとしよーと思ってたけどやっぱ無理かな~

「あんたよりはあると思うよ?」

そう言って女にキスをしながら服を脱がせた。

すると近くの方から誰か人の声かして。
けど、抱こうとしてる女は気づいてないみたいだから続けることにした。

「んっ、あんっ、きもち///」

ぜんぜん起たねーし。

ドンっ!!!

扉のほうから聞こえ、近寄ってみた。

「誰かいん…の…」

立って痛そうに手をさすっている女に俺は見覚えがあった。

"「あーくん!」"

昔は一瞬、昔大好きだった初恋の相手を思い出した。

なんであいつがでてくんだよ。

「覗き魔がいた。」

こんなとこにあいつがあるわけない。
大丈夫かー、おれ。

そしたら抱きかけの女が扉のほうに向かっていって

「なに覗いてんのよ、ブス」

うわ、女の喧嘩かよ。

そー思った俺だけど相手のほうは何も言い返さない。

なんで言い返さないんだよ。

「何年生?覗きとか最低ね!悪趣味ブス」

言われてる女を見たら目に涙が浮かんでいた。

「ブスはお前だろ?貧乳。」

勝手に口からこぼれでた。
涙目の女はキョロキョロしていた。

「お前つまんない。ブスだし貧乳だし。俺の起たない。この人よりお前の方がブスだぞ。性格もくわえて」

口からボロボロでてくる言葉。

貧乳女は涙目の女を睨み付けて出ていった。

ぽけーっとたたずんでる女。
すると、

「す、すいません!覗きなんてするつもりなかったんです」

なぜか謝ってくる女。

「うん。知ってる。友達探してたんでしょ?」

俺がそうゆうと女はえ!?なんで知ってるの!?みたいな顔で俺をガン見。

とてもあいつにそっくりだな…。

「で、でわ…」

そーいって帰ろうとする女。

は?帰すわけねーだろ。

俺はそいつを理科室の壁に押し付けた。
まー流行りの壁ドンってやつな。

「このまま帰すと思ってたの?覗き魔さん」

俺がそうゆーと女は焦って、

「え、どーゆー…?」

「帰さないってこと。わかる?」

さらに女があたふたしていて。
俺は無意識にそいつにキスしていた。

あ、やべ。

唇をはなして、そいつを見ると泣いていた。

え、は、キスで泣くか!?

まさか…

「まさか、ファースト…?」

俺がたずねると、女は顔を真っ赤にした。

まじかよ。この年でファーストか。

「ごめん。もー泣かないで?」

俺はそう言って女の頭をなでた。

すると女は、

「私の方こそ泣いてごめんなさい」

また謝ってきた。
俺が悪いのに…。

申し訳なくなって、女に謝ろうとしたら、

「じゃあね。」

と言われ、女は逃げるように走って消えた。

俺はそいつを追いかけようとはしなかった。





< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop