恋はまるで、粉雪のようで。
なんなんだろう、このしつこさ。


でも、過去の共通点があるからか、少しだけ親近感を覚えてしまった。



「わかりました、じゃあ、明日改めて待ち合わせして会いますから」


「ほんとに?」


「私は明日休みなので」


「じゃあ、スマホ貸して」


「なんでですか?」


「連絡先交換するから」


「・・・わかりました」



私の負けだ。


っていうか、どうでもよくなったんだ。


イヤになったら、データを削除すればいいし。


早く家に帰りたかったし。




嬉しそうにデータを交換している年下男は、だいぶ前に流行したチワワみたいな、うるうるした瞳をしてて。


母性本能をくすぐらせるタイプってやつ。



「はい、俺の連絡先も入れてあるから」


スマホを返しながら私を見下ろす年下男は、世間一般の女子からはモテるんだろう。


私には、まったく響かないけど。












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