恋はまるで、粉雪のようで。
「仕事は何時に終わりそう?


俺は、17時すぎならいつでもいいけど」


「私は、19時すぎになります」


「そっか、じゃあ、19時にB駅の北口で待ってるよ。


どっかでごはん食べよう」


「会社の最寄り駅は、ちょっと・・・」


「そしたら、この前のブックカフェで待ってるよ。


B駅とひなたさんちの最寄り駅の間だし。


ちょうど本も読めるし」


「でも、この前のこともあるから、ブックカフェに行くのは抵抗が・・・」


「じゃあ、駅に着いたら電話して。


俺の連絡先、登録してあるから」


「はい、わかりました」



なんだか、言いくるめられている気がするけど。


不思議とイヤな感じはしない。


グイグイ引っ張られていて、頼もしく思えたりして。


いやいや、だまされちゃダメだ。



「じゃあ、今夜楽しみにしてるから」


年下男は、勤務先がある駅で降りていった。


ここは、ブックカフェのある駅。


勤務先があるから、駅のまわりにも詳しいんだ。


今夜のお店も、決めてくれるんだろうか。


っていうか、食事するならこんな服で来なければ良かった。


勤務先では制服だから、通勤するだけの服にはあまり気を使っていない。


ついオッケーしちゃったけど、どうしよう。


って、私は何を悩む必要があるわけ?




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