恋はまるで、粉雪のようで。
お互いのことが大好きで。


最優先する特別な人で。


例えば、何かあったら一番に知らせたい人で。



こんな気持ちは、あまりにも久しぶりすぎて。


ドキドキして、緊張して、でも嬉しくて。


今も、右隣に座っている櫂くんを見上げながら、信じられない気持ちもある。



そうだ、一緒にいる時に、聞きたいことがあったんだ。


「櫂くん、コーヒーこぼしてセーター汚しちゃった日、月曜なのに何で私服だったの?」


「ああ、土曜日が研修で月曜に代休とったんだ。


昼まで寝てて、夕方あの駅近くの古本屋へ行って、本を読もうと思ってカフェに入ったら、ひなたさんがいて、隣に座ったってわけ」


「そうなんだ、セーターごめんね、コーヒー落ちた?」


「うん、大丈夫」


「よかった」


「俺は、ひなたさんと話すきっかけになって、ラッキーだったけどね」


そう言って笑う櫂くんの笑顔に、みとれてしまった。


ヤバイ、私、かなりハマってしまったみたい。



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