恋はまるで、粉雪のようで。
「ねえ、ひなたさん。


無理して話さなくていいんだけど。


何かあったり、聞いてほしいことがあるなら、遠慮なく話してほしいんだよね。


俺、そんなに頼りない?」


「違うよ、櫂くんはとっても頼りがいあるよ。


ただ、話したら嫌われるんじゃないかと思って、気になって・・・」



嫌われたくない。


離れたくない。


でも本当は、私のことを知ってほしい気持ちも、少しある。


櫂くんは、それを見透かしたように、話し出した。



「じゃ、俺から話そうかな。


俺ね、高2の時に初めての彼女ができて、でも、大学が別になったら自然消滅して。


で、大学3年で同じ大学の人とつきあったけど、やっぱり就職先が別になったら別れちゃって。


一番最近は、同じ会社の部署が違う人とつきあってて、今度は環境変わらないし、大丈夫だと思ってたら、フラれちゃってさ。


今は、彼女いない歴2年。


ひなたさんも、俺の過去が少しは気になるかも、と思って話してみた。


俺も、ひなたさんが今まで、どんな風に過ごしてきたか、すごく気になる。


だけど、もっと大事なのは、これからの俺たちだから。


これから一緒にいるために必要なことなら、俺はなんでも話すよ」



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