恋はまるで、粉雪のようで。
「ひなたさん」


「は、はい」


えっと、コトが終わったら、何をどうすればいいんだっけ。


恥ずかしすぎて、櫂くんの顔も見られない。


櫂くんは、背中を向けたままの私を、後ろからそっと抱きしめた。


「ひなたさん、色っぽくて、かわいかった」


「え、えー?」


そんなこと言われたら、ますます顔も見られなくなっちゃう。


「ひなたさん、ワガママ言ってもいい?」


「うん」


「俺、ひなたさんと、朝まで一緒にいたい。


今晩、泊まってもいい?」


きっと今、私の顔も耳も、真っ赤に染まっているに違いない。


「うん、いいよ、私も櫂くんと一緒にいたい」


「じゃあ、こっち向いて」


「えっ、でも・・・」


「何言ってんの、さっきまで裸見せてたのに」


「恥ずかしいよ」


「おいで」


目を閉じたまま振り返ったら、そのままギュッと抱きしめられた。


「ひなたさんの全部が俺のものになったから、嬉しい」


「うん、私も、恥ずかしかったけど、嬉しかった」


「ひなたさん、シャワー浴びていい?」


そこで初めて、私もシャワーを浴びていないことに気づいた。


「そ、そうだよね、普通はシャワー浴びてからだよね、どうしよう」


「そんなの気にしないよ、大丈夫」


慌てて洋服を着て、シャワーの準備をした。


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