恋はまるで、粉雪のようで。
『仮に、榎本くんが二股かけてたとしても、向こうと別れてひなたを選ぶかもしれないじゃない。


きちんと謝って清算してくれたら、許してもいいと思うよ』


『私を選ぶなんて、あり得ないよ』


『それを決めるのは、ひなたじゃなくて榎本くんだよ。


まあ、私は今の榎本くんを知らないけど、浮気したり二股かけたりするようなタイプじゃないと思うけどなー』



確かに、櫂くんはそんなことしないって信じてたけど。


私の見た風景は真実だから、どうしてもそれが本当だって思ってしまう。


ちょっとくらい浮気されても、許せるくらい心が広くないと、うまくいかないもの?



『がんばって、直接会って聞いてみようかな・・・』


『そうだよ、明日休みならちょうどいいし。


それに、ちょっと腕を引っ張ってただけでしょ?


腕組んだり手をつないでたりしてたんじゃないんだから、浮気でも二股でもないかもしれないよ』


『これ以上苦しみたくないから、期待しないでおくよ』



美佐の言葉は、私が考えもしなかったことだった。


10年ぶりの恋愛は、私を少しずつ変えていってくれるのかもしれない。



明日の朝起きて、その時の気分で決めることにて、眠りについた。



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