恋はまるで、粉雪のようで。
「やべ、嬉しすぎてニヤけそう」


櫂くんは、あの八重歯がのぞく笑顔をみせてくれた。


そのまま抱きしめられて、櫂くんの香りにつつまれた。



「ひなたさん、明日も仕事でしょ?」


「うん」


「もし俺でよければ、窓の修理依頼とか、防犯グッズの買い出しとかやっとくけど」


「えっでも、それは悪いよ」


「俺も月曜は仕事いかなきゃだし、日曜のうちにできることはやっといた方が落ち着くんじゃない?」


確かに、掃除はしたものの、窓をあのままにして仕事に行くのは気がひける。


「明日だけ合鍵預かって、俺にできることはやらせて」


「ほんとにいいの?」


「俺をもっと頼ってよ」


「わかった、じゃあお願いします」


「ひなたさんの下着とか見ないから」


「やめてよー」


思わず笑ってしまった。


「あっ、やっと笑ってくれた」



なんだか、久しぶりに笑った気がした。


もし、一人で後片づけしていたら、怖くて落ち着かなかったと思う。


櫂くんがいてくれたから、怖くなかった。


あったかい腕に包まれたままベッドに入って、不安な気持ちは和らいでいった。







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