恋はまるで、粉雪のようで。
ずっと一緒。


ってことは、イコール結婚ってこと?


いやいや、まだつきあい始めたばっかりだし、櫂くんがそこまで考えてるわけないし。



「じゃあ、これからもたまにはよろしくね」


「喜んで」


「なんか、居酒屋みたい」


今度は居酒屋行こうとか、仕事の話とかで盛り上がったあと、


「俺、明日有休とったんだ。


だから今晩、泊まっていい?」


「えっ、年度末なのに大丈夫なの?」


「今は、ひなたさんを一人にするのは心配だから」


「泊まるのはもちろん大丈夫だよ、ごめんね」


休みつながりで思い出して、4月から本社へ異動になることを話した。


「そっか、だから余計忙しいんだ」


「うん、でも来月からはカレンダー通り土日休みになるから」


「マジで、じゃあこれからいろいろ出かけられるじゃん」


「うん、しばらくは忙しいけど、ゴールデンウィーク前には落ち着くと思う」


「楽しみだな、どこ行こっかな」



その日は遅くまで話はつきず。


櫂くんは、私を笑わせようと必死になっていた気もするけど。


一つのベッドに入る頃には、私の奥底に眠っていた恐怖心はすっかり消えていて。



「ひなたさん、してもいい?」


櫂くんの甘い言葉にうなずくと、重なった体はひとつに溶けていくように交じりあっていった。


もう、櫂くんがいないと、私はダメだ。



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