桃色アルバム
あっという間にケイタらに追いついた。

「渡部、おまえ泳ぐのはええな」
「当たりめえだ。間宮、おまえ泳げたんだな」

ニヤリと笑って渡部がこちらを見てくる。
当たり前だろ、と言おうとすると、塩水が口に入ってきてむせた。
それを見て2人が笑う。

「ペペッ・・しょっぱ・・」
一口のどへと通してしまい、顔をゆがめる。

そのとき、いつの間にか渡部のうしろに川嶋がきていた。

「飯だ。女子と崎野が用意してるよ」

「じゃ、間宮。もう1回競争だ」
「受けて立つぜ」

ケイタたちが同時に泳ぎだすと、後ろからあきれたように川嶋がつぶやいた。

「あいつらも十分はしゃいでるじゃん」
「いいじゃねえか。さっさと行こうぜ。俺、腹減った」

そう言って岸に向かって泳ぎだした。

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