桃色アルバム
「じゃ、俺らも食うか」
「そうだな」

ケイタはフランクフルトを口へ運んだ。

腹がすいていただけあって、うまい。
しかも仲間たちとワイワイ騒いで食べると、普通のフランクフルトでもいつもの数倍うまく感じた。


「もう少しで夏休みも終わりだな」
「早いもんだね」

さとこがお茶を飲んでため息を吐き出した。

「今年は宿題も終わったし。初めてだぜ、盆前に終わったの」
「あたしもだよ。川嶋のおかげさ」


おにぎりを食べていた川嶋の背中をさとこがたたく。
思わず川嶋がむせた。

「感謝してくれるのはうれしいけど、痛いよさとこ」

ゲホゲホしながらさとこを振り返る。
< 106 / 216 >

この作品をシェア

pagetop