桃色アルバム
「間宮、これ持って」

空の容器をゆりかから渡され、ゴミ箱へと向かった。


「なんか、間宮ってすっごい明るいよね」
「そうか?」
「いまさらなんだけど、前まで暗かったじゃん。すごいギャップ」
「ろくに友達になりたいと思うやついなかったしな。一緒にいても楽しくなかったし」
「へえ、そうだったんだ。私たちといたら、楽しいの?」
「ああ、なんか同じ思いを持ってるからかな」
「なんか分かる。そんな感じ」

ニッと笑い、容器をゴミ箱へ押し込んだ。


「私も、みんなといると楽しいよ」

そう言って、さとこのほうに戻っていった。

「・・・・女ってマジでわかんねえ」

ケイタも容器を放り投げ、足首を海につけながらもと来た道を歩いた。
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