桃色アルバム
「間宮、おまえ最高だ!!!」
渡部が顔を真っ赤にしてばんばんとケイタの背中をたたいた。
あまりにも強く大きな力だったので、ケイタは前に倒れてしまった。

「わりぃ」
渡部が伸ばした手をつかんでおきると、目にたまった笑い涙を人差し指でぬぐっている
上野と目があった。

「上野はどう思う?」
「それは使えるぜ。なっ、みんな」
ケイタが聞くと、上野はなんとか呼吸を整えて言うと、みんなが荒い息を吐きながらこくこくとうなずいた。
まだ声にならないらしい。

「じゃあ、クモをどう使うかだな」
「こんなのはどう?クモをカバの給食の中に入れるの!きっと腰ぬかしちゃうかもね」
「くつの中に入れといて、履いた瞬間グシャってのは?きっと気絶するぜ」
「それより服の中のほうがいいよ」
「宅急便で大量のクモを箱の中に入れとくとか」

「どれも実行してみたいな」
川嶋がぽつりと言った。
「どれでやるかだ」
そう言うと、みんなは腕を組んでうなった。

「じゃあさ」
ゆりかがゆっくりと言った。
「クモだけでカバをこらしめるのって、なんかつまんないじゃん。それでおとなしくなるなんてわかんないし。それで・・・・・」
ゆりかが少し間をあけて言った。

「まずカバのくつばこにクモを大量に入れとくの。そしたらきっと腰をぬかすでしょ。そこで、私たちがでていく」
「それで?」
「考えてない」
「なあんだ」

ケイタは少し笑ってしまった。
「そのあとのことはみんなで決めればいいでしょう」
プゥ、と頬を赤らめて言うゆりかを見てまた笑ってしまった。

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