桃色アルバム
横を向いて息継ぎをすると、横で泳いでいるさとこのかいた水が口に入ってきた。

おぼれそうになりながらも、ケイタは必死に水をかいた。
口の中に広がる塩気を我慢していると、上野にぬかされたのが分かった。

足をついたら負けることになる。

前方に岩が見える。

ケイタは必死にできるだけ手を伸ばし、その岩にさわった。


顔を上げ、岩にしがみつく。



「はぁ・・はぁ・・・・おれビリか?」
「違うね。最後は崎野だよ」

ケイタより先についたさとこがケイタと同じく岩にしがみつき、肩で息をしている崎野を指差した。

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